第84章 姉ちゃん、俺が悪かった

だがこの瞬間、高価な装飾品を身につけ、よその家の息子になりながら――彼女にだけ嘘をついていた工藤洸平を目の当たりにして。

工藤花恋は、心臓ごと氷水に沈められたような気がした。

「工藤洸平」

自分でも驚くほど、声は静かだった。

「これが先月、あんたが言ってた……実の両親が見つかったって話?」

工藤洸平は喉仏を上下させ、慌てふためく。

「姉ちゃん、聞いて。違うんだ、姉ちゃんが思ってるのと――」

「どう違うの?」

工藤花恋の目の縁が、抑えきれず赤く滲んだ。

「もうとっくに“戻って”たんでしょ。だったら正直に言えばよかった。金持ちの親が見つかった、また御曹司に戻るって。……私だって...

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