第97章 三浦亜衣を殴った

だが次の瞬間、三浦亜衣の横柄な勢いがぶり返した。

「いい度胸じゃない! 外の人間とグルになって私をいじめるなんて! 覚えてなさいよ、帰ったらママに言いつけて、お兄ちゃんにあんたを追い出させるから!」

「好きにして」

工藤花恋はまぶたすら持ち上げないまま、くるりと背を向け、慌てて背後の山川悦子の様子を確かめた。

山川悦子の頬には赤い擦り傷が一本走り、目尻は真っ赤。悔しさと痛みでぽろぽろ涙をこぼしている。

「姉さん……ケーキ、潰された……」

「大丈夫。目に当たってなくてよかった」

花恋は胸が締めつけられる思いで、悦子の頬の水滴をそっと拭う。声は、蜜みたいにやわらかかった。

そのと...

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