第4章
機内の医療機器が警報を鳴らし続け、私の心拍はどんどん弱くなっていく。
雅人は私の手を握り、もうすぐ大丈夫だと教えてくれる。
死の淵にいるせいか、ふと、あることをはっきりさせたくなった。さもないと、死んでも死にきれない。
「私のこと、好きだって言ったよね。でも、大学の時、あなたは私を振ったじゃない」
雅人は呆然とし、その目は困惑に満ちている。
「いつ君を振ったって? 千尋、僕は一度もそんなことは——」
「文芸部の集まりで」
私は必死に記憶を辿り、声がどんどん小さくなる。
「好きな人がいるって、言ってたじゃない」
雅人の顔色が瞬く間に蒼白になり、目の縁が赤みを帯び、...
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チャプター
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3. 第3章
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