第128章 私だけのものだと言って

葉山立夏は鉄片の先端を部品に食い込ませ、手首が軋むほどの力ですべてを込め、奥へと押し込んだ。

「カチッ」

葉山立夏の心臓が、早鐘を打って止まりそうになる。

彼女は慎重に鉄片を引き抜き、震える手を伸ばして、そっと押した。

「ギイィ――」

木製の扉が、わずかな隙間を開く。

成功だ。

葉山立夏は框に寄りかかり、激しく息を継いだ。あまりの喜びに泣き出しそうだったが、祝杯を挙げている時間はない。

隙間から外を窺う。薄暗く狭い廊下には、人影一つない。

彼女は鉄片を握りしめたまま身を躍らせ、すぐさま慎重に扉を閉めた。平穏を装うために。

平らな床を踏みしめる感覚が、どこか現実味を欠いてい...

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