第150章 あの男は誰だ?

葉山立夏は、月白のシルクのロングドレスを身に纏っていた。その佇まいは控えめでありながら、圧倒的な気品を内包している。

華美な装飾を一切削ぎ落とした極めてシンプルなデザインが、彼女の華奢でありながら芯の強さを感じさせる肢体を、完璧なまでに描き出していた。

緩やかに結い上げられた長い髪から、幾筋かの後れ毛が頬にかかる。細い首筋には繊細なダイヤモンドのネックレスが飾られ、照明の下で清冷な光を放っていた。

他の女性客のように男性のエスコートを受けることもなく、彼女はただ一人、静寂を纏って会場へと足を踏み入れた。

彼女が現れた瞬間、会場の空気は一変し、すべての視線が彼女に吸い寄せられた。

人...

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