第164章 私たち離婚したの

西園寺京夜は、彼女の蒼白な顔を見つめた。心臓を何者かに強く握り潰されたような痛みが走り、呼吸さえままならない。

今はそんなことを言っている場合ではないと分かっている。

だが、感情を制御できなかった。

もしあと一歩遅れていたら何が起きていたか、想像するだけで恐ろしかったのだ。

「立夏」

京夜は点滴の繋がれていない方の彼女の手を、思わず握りしめた。掌は燃えるように熱い。

「俺たちは……」

「疲れたの」

葉山立夏は彼を遮った。

手を振りほどこうとはせず、ただ静かに瞼を閉じる。

京夜の喉元まで出かかっていた言葉は、すべて行き場を失って詰まった。

彼女の固く閉ざされた瞳、その顔に...

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