第165章 二度と立ち直れない弱み

西園寺京夜の視線が、その一点で凍りついた。

それは、離婚証明書だった。

国内のものではない。欧州のどこかのマイナー言語で記されているが、下部に押された某国裁判所の公印だけは、嫌でも目に飛び込んでくる。

発行日は、彼女が「死んだ」とされる日から一年後。

脳内が真っ白に染まった。

あり得ない。

自分たちの婚姻届は国内で提出したものだ。どうして国外で、それも一方的に解消できるというのか。

葉山立夏は、そんな彼の混乱を見透かしたように口を開いた。

「現地の法律ではね、配偶者の失踪や死亡が一定年数続いた場合、残された側は一方的に婚姻関係を解消できるのよ」

彼女は一呼吸置き、京夜の顔か...

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