第170章 自分の物を取り戻す

退院の手続きは、予想通り難航した。

主治医は断固として首を縦に振らず、西園寺京夜に至っては、あからさまに不機嫌な顔を見せた。

「馬鹿な真似はよせ!」

彼は病室の入り口を塞ぐように立ち、その長身で光の大半を遮った。

「死にたいのか?」

「西園寺社長、これは私の問題です」

葉山立夏はすでに私服に着替えていた。

痩せ細ってはいるが、背筋を伸ばして立つその姿には、他者を寄せ付けないかつての威厳が戻っていた。

「お前の問題だと?」

西園寺京夜は鼻で笑った。一歩踏み出し、彼女を見下ろすように迫る。その瞳には、再び濃い充血が滲んでいた。

「葉山立夏、つい数日前までここで死にかけていたの...

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