第176章 内通者がいる

モニターの中の彼女は、あまりにも冷静で、落ち着き払っていた。西園寺京夜の瞳に宿っていた怒りの炎は、いつしか複雑な色へと塗り替えられていく。

そこにあるのは誇り、称賛、そして彼自身でさえ気づいていなかった……一抹の寂寥感。

彼女はますます強く、眩いほどの輝きを放つようになった。

それと同時に、彼の手の届かない場所へと遠ざかっていく。

その時、暗号化通信機が着信を告げた。

セキュリティ部門の責任者の声だ。「西園寺社長、判明しました。攻撃元はダークウェブ上のサーバーですが、踏み台となった指令元のログを特定しました。逆探知の結果、IPアドレスの物理的な位置は……リスボンにある、九条お嬢様の...

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