第180章 状況は安定した

車内の空気は、澱んだように重苦しかった。

「必要ないわ」

葉山立夏は視線を戻し、凛とした声で告げた。

「私のプロジェクトの名は『曙光』。葉山という姓を冠しているの。西園寺京夜、私が求めているのは対等な協力関係であって、誰かの庇護にすがるような真似じゃない」

彼女が欲するのは背中を預けられる戦友であり、玉座から見下ろす君主ではないのだ。

西園寺京夜の顎のラインが、瞬時に強張った。

膝に置かれた彼の手。指の関節が一度固く握り込まれ、やがて緩やかに開かれる。

「これは庇護ではない」

彼の声のトーンが沈んだ。

「……損害抑止(ダメージコントロール)だ」

「私の損失は、私が背負うわ...

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