第210章 彼女はまだ何をもって私と争うのか

「ボス、六合(りくごう)が完全に崩壊しました。東証は寄り付き早々にサーキットブレーカーが発動。サン・ローラン政府の態度は百八十度転換し、矛先は今、我々に向けられています……」

河名新一は振り返りもせず、視線を別のモニターに注いでいた。

立夏新エネルギーの株価チャート。そのローソク足は見るも無惨な急落を示し、すでに公開価格を割り込んでいた。

それだけが、彼にとって唯一の慰めだった。

「たかが六合を潰した程度で、形勢逆転できるとでも思ったか?」

河名新一の口元が、冷酷な弧を描く。

「甘いな。盤上の戦いは始まったばかりだ」

彼はその場を離れてデスクに向かうと、暗号化された電話機を手に...

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