第212章 馬鹿ではない

実験室内では、かつて精密機器だったものが、ひしゃげて黒焦げになった鉄屑と化していた。床には得体の知れない粘着質の液体が広がり、スプリンクラーの放水を受けて「ジジッ」と不気味な音を立てている。

焼け焦げて穴だらけになった白衣を纏い、顔を煤で真っ黒にした数名の研究員たちが、瓦礫の中から這い出してくる。

その中の一人、中年男が腰を抜かしたように座り込み、虚ろな目でブツブツと繰り返していた。

「失敗だ……全部失敗した……パラメータは合っていたはずだ、なぜ爆発した……なぜ……」

三十分後。ニューヨークにいる河名新一は、その映像を目にしていた。

モニターに映し出される惨状を前に、ハンサムな顔が...

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