第215章 三千億のキャッシュフロー

「何を慌てているの」

葉山立夏は、壁一面に広がる巨大な世界地図の前へと歩み寄った。

そこには、立夏グループの世界的な展開状況が、色とりどりの光点によってマーキングされていた。

「鎌内、緊急対応プラン『箱舟(アーク)』を起動して」

鎌内雅樹の眼差しが鋭さを増す。

それは創業当初に策定された最高レベルの危機管理マニュアルであり、これまで一度として発動されたことのない禁じ手だった。

「『プロメテウス』計画の全コアデータは、暗号化の上で三分割。直ちに首都、シンガポール、ケイマン諸島の独立サーバーへ転送し、物理的に隔離しなさい。グループ本部とのネットワーク接続は全遮断よ」

「グループの全...

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