第255章 もう行かなくちゃ

焼け付くような熱が、肌越しに伝わってくる。

彼の顔色は、今にも水が滴り落ちそうなほど沈み込んでいた。

「熱があるな」

「たいしたことないわ。一晩寝れば治るから」

葉山立夏は一歩後ずさりし、近すぎる距離を置こうとした。

だが、西園寺京夜はすかさず彼女の手首を掴み、有無を言わさぬ口調で命じた。

「来い」

「まだ用事が……」

その言葉は最後まで続かなかった。

西園寺京夜はこれ以上言い争うのを面倒に感じたのか、腕を伸ばし、片方で彼女の肩を抱き寄せ、もう片方を膝裏に差し込み、そのまま軽々と横抱きにした。

ふわりと体が浮き上がる感覚に、葉山立夏は小さく声を漏らし、無意識に彼の首に腕を...

ログインして続きを読む