第258章 計画の第一歩

「ご覧なさい、これこそが科学の本来あるべき姿ではありませんか」

葉山立夏は時代を遥かに凌駕するテクノロジーの数々を前に、確かに心を揺さぶられていた。

だが彼女がそれ以上に気になったのは、Zの言葉の端々に滲む、ルールや倫理に対する軽蔑だった。

視察の最後の場所は、Zの執務室だった。

部屋の造りはシンプルで、壁一面が巨大な床から天井まで届く大窓になっている。

窓の外には底知れぬ海溝が広がり、時折、奇妙な形をした深海生物が自らの放つ蛍光を纏い、幽鬼のように通り過ぎていく。

「西園寺京夜が来ていることは知っていますよ」

Zは彼女にグラスで水を差し出しながら、何事もないかのように言った。...

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