第26章 無駄なことはよせ

彼女は無意識に何かを呟こうとしたが、乾いた喉から漏れたのは、ガラスの破片のような掠れた嗚咽だけだった。

突如、身体が弓なりに跳ねる。激しい痙攣が胃の底を掻き回し、彼女は顔を背けて酸っぱい胃液を吐き出した。胆汁の苦々しい臭いが、鼻腔の奥まで焼き尽くしていく。

もう……死ぬのかもしれない。

死の予感が脳裏をよぎったその時、頭上の隠し扉から、金属が擦れ合う不快な音が響いた。

ギィィィ――

逆光の中に、本江の影が立つ。葉山立夏は残った力のすべてを振り絞り、その唯一の光源へ向かって手を伸ばした。

慈悲を乞うためでも、食料のためでもない。ただ、生物としての原始的な生存本能がそうさせたのだ。

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