第260章 うわごと

二十五日、午前二時五十七分。

中央制御室は静寂に包まれ、冷却液がパイプを流れる微かな音だけが響いている。

葉山立夏はホログラム操作台の前に立ち、気候モデルアルゴリズムの最終調整に没頭していた。

Zは防護ガラスの向こうから彼女を静かに観察している。

この冷静で有能な女こそ、彼が求めていた完璧な道具だった。

二時五十九分、葉山立夏の視界の隅にある情報ウィンドウに、金融市場の動向が映し出される。

三時ちょうど、緊急のフラッシュニュースがポップアップした。

『西園寺ホールディングス、欧州の複数のベンチャーキャピタルとの提携を緊急停止。新エネルギー技術特許の最高レベルセキュリティ障壁を起...

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