第276章 見つめ直さざるを得ない

「来週水曜のフライトです。最初の目的地はスイスになります」

「わかった」

西園寺京夜は手を振り、秘書に下がるよう合図した。

オフィスに再び静寂が戻る。

彼は巨大なガラス窓の前に歩み寄り、眼下を流れる絶え間ない車の列を見下ろした。

彼女はやはり行ってしまうのか。自分がすべてのプライドを捨て、最も不器用な方法で歩み寄り、償おうとしてもなお、彼女は彼がいない、より広大な空を求めているのだ。

途方もない喪失感と恐れが再び押し寄せ、ようやく築き上げた彼の冷静さを打ち砕きそうになる。

無意識のうちに拳を強く握りしめると、指の関節が微かに音を立てた。

だが今回、彼は衝動的な行動には出なかっ...

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