第277章 このような繰り返し

彼は彼女の飛翔を遮ることはなかった。それどころか、彼女のために空を切り開いてさえくれた。それでいて、彼女の飛ぶ軌跡のそこかしこに、付かず離れずの距離で、優しさに満ちた道標を置いていた。

彼女は傷を負っている。だが、同時に強い人でもある。彼はそれを知っているのだと、伝えてくるように。

葉山立夏はその小さな栞をつまみ、筆跡のわずかな凹凸を指の腹でそっと撫でた。

彼女は長いことそこに立ち尽くしていた。書店の店主が、たまらず顔を上げて彼女を盗み見るほどに。

やがて、彼女はその本と栞を手に取り、レジへと向かった。

「この本、買います」

代金を支払った後も、彼女はすぐには店を出なかった。入り...

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