第41章 ここが私の家

葉山立夏の睫毛が微かに震えたが、動きはそれだけだった。

井奈は小さく溜息をつき、それ以上勧めることはせず、匙を器に戻して下がる支度をした。

西園寺京夜の眉間に、深い皺が刻まれた。

彼は膝上のノートパソコンを置き、立ち上がってベッドサイドへと歩み寄る。

井奈は心得た様子で一礼して退室し、音もなくドアを閉めた。

西園寺京夜は燕の巣が入った器を手に取り、匙で一口分すくうと、葉山立夏の唇へと運んだ。

ここ数日、彼が繰り返してきた日課だ。最初はぎこちなかった手つきも、今では随分と板についている。

葉山立夏は顔を背け、避けた。

無言の拒絶だった。

西園寺京夜は苛立つこともなく、ただ匙を...

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