第43章 ただの独りよがり

西園寺京夜は、長く宙に浮いていた心が、ようやく大地に繋ぎ止められたような感覚を覚えた。

手が震えて、小さなスプーンを取り落としそうになる。

彼は視線を伏せ、瞳の奥に渦巻く激情を隠すと、また一匙すくい、無言で彼女の口元へ運んだ。

一匙、また一匙。

彼女の動作は緩慢で、表情はない。まるで、どうしてもこなさなければならない義務を果たしているかのようだ。

それでも、彼女は食べた。

茶碗半分ほどを、きれいに平らげた。

井奈はドアの陰でその光景を見守り、そっと背を向けて目尻を拭った。

椀を置いた時、西園寺京夜は激戦を終えた兵士のような疲労感に襲われた。背中のシャツは冷や汗で濡れそぼってい...

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