第46章 彼女は彼にいてほしくない

電話の向こうで、秘書は絶句した。

古都へ? 来週?

来週といえば、財閥とのビデオ会議、ニュータウン開発プロジェクトのテープカット、そして取締役会……まさに殺人的なスケジュールがぎっしりと詰まった魔の週間ではないか!

秘書は、まず自分の遺書の下書きが必要かもしれないと本気で思った。

彼は震える声で、必死に抵抗を試みた。

「西園寺社長、来週のスケジュールは極めて重要でして、特に……」

「キャンセルだと言っている」

西園寺京夜の口調は、議論の余地を一切与えないものだった。

「……承知いたしました」

秘書は硬直した頭皮を引きつらせながら、そう答えるしかなかった。

秘書は恐る恐る、...

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