第57章 彼女は彼の答えを待つ

葉山立夏の心臓が、ヒヤリと萎縮した。

「俺の前で弱さを演じて同情を買い、あまつさえ自分を病院送りにするとはな。そんなことで俺がほだされるとでも思ったか?」

彼は身を屈め、彼女の顎を指で挟んで強引に上を向かせた。その深淵のような瞳の奥では、抑え込まれた怒りと、彼自身さえ気づいていない微かな焦燥が渦巻いていた。

「言っておくが、無駄な真似はやめろ」

西園寺京夜はドアを叩きつけるようにして出て行った。

葉山立夏はゆっくりと瞳を閉じ、そこに浮かんだ自嘲と、眼底に残っていた最後の光を、共に闇の中へと葬り去った。

彼女の口元が、微かに持ち上がる。

これでいい。

痛みも感じた。抵抗もした。...

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