第十一章

テッサ視点

一日は私たちの手からゆっくりとすり抜け、何の予兆もなく夜の闇へと滲んでいった。

医務室の静寂は、今やいっそう重苦しく感じられた。外の暗闇が部屋の中に忍び込み、隅々に居座って、すべてを静止した時間の中に包み込んでいるかのようだった。

聞こえてくるのは、機械が発する穏やかな電子音と、サーシャの柔らかく規則正しい寝息だけ。

骨の髄までそれが染み渡っているのを感じた――皮膚の下を這い回る疲労の痛み。それはまるで生き物のように、私の胸の中でとぐろを巻いていた。眠りたくはなかったが、体は悲鳴を上げて休息を求めていた。

ケインはそれに気づいていた。当然だ。

「限界が来ているな...

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