第十四章

ケイン視点

浮かんだ笑みは、それと同じくらいの速さで消え失せた。

祝杯をあげる気分じゃなかった。まだだ。まだ空気の中に評議会の血の匂いが漂っている――俺が望んだ形ではない匂いが。

俺は再び歩き始めた。廊下をゆっくりと、慎重な足取りで行き来しながら、頭の中で何千もの可能性を巡らせる。

裏ルートの侵入地点、地下の航空回路で俺に借りのある連絡員たち、怪しげな密輸業者、何年も使っていない古いルート。必要なのは隠密性とスピード、そして誰にも気付かれないことだ。本拠地の土を踏むまで、どこのレーダーにも俺の匂いを一欠片たりとも残すわけにはいかない。

「段階を分けて進める必要があるな」セスが...

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