チャプター 118

ケイン視点

会議は短く頷き合うことと、固い握手をもって終了したが、戦略決定の重みは依然としてその場に重くのしかかっていた。計画は動き出し、ルートが検討され、同盟者への連絡も進んでいる。だが……何よりも強く、俺の心を捉えて離さないものが一つあった。

テッサだ。

俺は彼女の方へ視線をやった。この十分間、彼女はずっと静かにしていた。冷たい椅子に身体を預け、表情にはあえて出さないようにしているものの、その目は全ての状況を余さず追っている。勇敢で、賢く、決意に満ちている――ディミトリが彼女に味わわせた地獄から、まだ回復の途中だというのに。そして俺たちは、細心の注意を払わなければ、彼女をまた...

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