第124章

【ケイン視点】

テッサが振り返り、俺の方を向いた瞬間、俺は思わず息を呑んだ。

寝室のほの暗い明かりが彼女を柔らかく照らし出し、ドレスの生地が彼女の体の曲線に沿って微かにきらめいている。

彼女は言葉を失うほど美しかった――これまで見たどんな姿よりも輝いていた。彼女が俺の人生に戻ってきてくれたことがどれほど幸運なことか、改めて痛感させられた。

彼女の瞳が俺の瞳と重なり、その恥ずかしそうな微笑みの裏に、ふとした脆さが見え隠れする。混乱も、戦争も、恐怖もすべて超えて、初めて本当の彼女を見た気がした。その瞬間、そこに佇む彼女以外のことなどどうでもよくなった。彼女の輝きが、俺の魂に刻まれた戦いの傷...

ログインして続きを読む