チャプター 19

テッサ視点

私とエリンは、張り詰めた空気の中で立ち尽くしていた……。セスがあれほど怒りを露わにしている今、この事態が一体どこへ向かおうとしているのか、皆目見当がつかない。

実際には数分しか経っていないはずなのに、まるで何時間にも感じる苦痛の時が過ぎ、ようやくセスがエリンの手首から手を離した。そして、感情の読み取れない冷徹な表情で私を真っ直ぐに見据えると――

「行くぞ。家まで送る」彼が言い放つ。その冷たい反応に、胸の中で心が音を立てて崩れ落ちていくのを感じた。

耳を疑った。

彼女をここに置いていく気なの?

あれだけのものを見せられて、それが精一杯の対応だと言うの?...

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