チャプター 27

ケイン視点

車のエンジンをかけると、セスとアンソニーが乗り込んでくる。俺は時間を無駄にすることなくゲートへ向かって車を発進させた――ゲートは俺が出られるよう、即座に開かれた。

「ケイン、あいつをどうするつもりだ?」

俺が丘の麓にある未舗装の道へとハンドルを切ると、アンソニーが尋ねてきた。その道は、俺の群れ(パック)のための監獄棟と『穴』へと真っ直ぐ続いている。

「あいつ自身が振る舞ったのと同じ味を、たっぷりと味わわせてやるのさ……」

俺がくつくつと笑うと、二人も一緒になって笑った。

十分ほど走ると、巨大な鋼鉄のゲートが見えてきた。通路には警備兵が並び、入構前の検査の...

ログインして続きを読む