第五十四章

テッサ視点

恐ろしい男たちの集団に家畜のように追いたてられ、ある部屋へと連れて行かれた。女たちが次々と吸い込まれていくドアの前で、彼らの足が止まる。

「アラウ」サーシャが振り返ってそう言った瞬間、警備兵が彼女の後頭部を強くひっぱたいた。彼女はつんのめり、あわや床に倒れ込みそうになる。

だが彼女はすぐに体勢を立て直し、何事もなかったかのように振る舞った。私とエリンはその光景に呆然と立ち尽くすことしかできない。私たちは彼女の背中を追い、慌てて部屋の中へと駆け込んだ。そこにはシャワーが整然と並んでいた。

「洗う、乾かす、そしてそこの服、着る!」

サーシャがキャビネットを...

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