チャプター 63

テッサ視点

私たちは並んで座り、饐(す)えたような味と、あの衛兵が残した謎めいた言葉への恐怖から、苦痛なほど時間をかけて食事を喉に通した……。

夕食後に彼と一緒に行くということか? 一体どこへ?

答えのない問いが山積みになるにつれ、体温が上昇し、手のひらが汗ばんでいく。悪い想像ばかりが膨らんで、制御がきかなくなっていた。

「どうするの、テス? あの男、イカれてるわ! 外へ連れ出されたら、何をされるか分かったもんじゃない!」

エリンは身を乗り出して耳打ちし、私たちの身に降りかかるかもしれない恐怖を訴えてきた。

「わ、私たち……逃げるしかないかもしれないわ、エリン……」

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