第七十一章

テッサ視点

アルファ・キオンのパックで目覚めた初日は、さらに激しさを増した作戦会議に費やされ、ケインは終始神経を尖らせていた。

今私たちがいるこの部屋は、先ほどのキオンの執務室に漂っていた張り詰めた空気とは、まるで別世界のように感じられた。周りは見知らぬ顔ばかりだが、一人だけ例外がいる……。

嫌というほど見慣れてしまった顔が一つ。

その忌まわしい顔には、今や「パーセル」という名前がついている。彼が私にした仕打ちを思えば意外なことだが、先ほどケインが彼を殺そうとした際、私は割って入って止めたのだ。胸の奥に微かな罪悪感を覚えながらも、彼を生かしておく必要があることは理解...

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