チャプター 79

ケイン視点

こちらの斜面の尾根は容赦がなかった。氷の刃は登ってきた道よりも鋭く、滑りやすい。ピッケルが何度も滑りかけ、そのたびに俺は小声で悪態をついた。

「全員気をつけろ! こっち側の岩盤は脆いぞ!」俺が叫ぶと、ヴィクトルがそれをロシア語で繰り返し、グループ全体に伝えた。

鋼鉄のピッケルが俺たちの体重を支えて悲鳴を上げ、動くたびに俺たちを試すようだった。一振り一振りが慎重かつ正確でなければならない。一歩間違えれば、下の暗い奈落へと真っ逆さまだ。

雪が執拗に舞い、移動する俺たちの視界を遮る。筋肉が悲鳴を上げ始めたが、俺は歯を食いしばって目の前の作業に集中した。体力不足...

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