チャプター 9

テッサ視点

プライベートジェットが空を滑るように進む中、私は幸いにも暇つぶしのために荷物に忍ばせておいた本の世界に没頭しようと必死だった。

機体が私とケインを乗せて南部の奥深くにある未知の目的地へと向かう間、ケインは高度など気にしていない様子だった。彼は私の手を握り続け、その温もりで安心感を与えてくれていたが、目の前のスクリーンで映画を見ることにしたようだ――それも、男たちが殺し合い、銃を撃ち合うような……いかにも男の人って感じの映画を!

飛行機が大空を翔けるにつれ、私は時折、周囲に広がる穏やかな雲と淡い青空が織りなす息をのむような絶景に、つい見とれてしまわずにはいら...

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