第104章

佐川元衡がドアの陰から顔を覗かせた。

「彼女の言う通りだ、病人は熱に浮かされて訳の分からないことを口走るもんだ。だが謙一、ここ二、三日は消化のいいものを食わせてやってくれ」

「それから……彼女の体に古傷があるようだ。時間がある時に病院へ連れてきて、全身検査を受けさせるんだな。そうすれば適切な処置ができる」

私は顔色を変えた。なんて余計なことを!

佐川元衡は私に向かって片眉を上げ、再びドアを閉めた。

「古傷だと? お前の体にそんなものがあるなんて、なぜ黙っていた?」

立花謙一は顔色を変え、私をじっくりと観察し始めた。

私はその視線に耐えられず、無意識に目を逸らした。

「何でもな...

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