第108章

すべてが落ち着いた頃には、すっかり日が暮れていた。

周防春香は腹痛を訴え、切迫流産の兆候があるとして医師から入院を命じられた。

立花家の祖父と祖母も、激しい感情の起伏により体に障りが出たため、大事をとってそのまま入院観察となった。

ようやく、この茶番劇が幕を下ろしたのだ。

私は心身ともに疲れ果てていた。これ以上、立花謙一と言葉を交わす気力も残っていない。

彼が対応に追われている隙を見て、私は佐川元衡を見つけた。

「あとは私がいても役に立たないし、もう帰るわ」

「小林紗夜」佐川元衡が私を呼び止めた。「謙一は、やったことを認めないような男じゃない。報告書に問題がないことは俺も認める...

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