第109章

「紗夜、この間の兄さんとのあれ、一体どういうこと? せっかくの創立記念パーティーだったのに、兄さん途中で帰っちゃうし。おかげで役員たちの不満が爆発寸前よ」

顔を合わせるなり、立花青葉はあの夜の出来事について問い詰めてきた。

あの件は、まだ誰にも知られていない。

当然、私が口を割るわけにはいかなかった。

「私もよくわからないわ。あの後、気分が悪くなって先に失礼したから」

「そう……あなたが何か知ってると思ったんだけど。で、体調はもう大丈夫?」

立花青葉が心配そうに私を覗き込む。

私は淡い笑みを浮かべた。

「ええ、もう平気よ」

「そういえば、いつ出国するの? 人事部の方で退職手...

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