第111章

呆然と、自分の掌を見つめる。

さほど力など込めていなかったはずなのに、なぜ周防春香は倒れたのか?

それに、腹痛だと?

立花の祖父も顔色を変え、すぐさまナースコールを押した。

ほどなくして、医師と看護師が小走りで駆けつけてくる。

彼らと共に現れたのは、立花の祖母と立花青叶だった。

助け起こされた周防春香の足元、床に小さな血溜まりができているのを目にして、私は全身を震わせた。

「春香が出血しているじゃないか!」

立花の祖母は激昂し、逆手で私の顔を張り飛ばした。

「パァン――!」

乾いた破裂音が病室に炸裂する。

反応する間もなく、顔全体が痺れ、耳の奥で轟音が鳴り響いた。

医...

ログインして続きを読む