第122章

周防春香の言葉に、脳裏が一瞬にして空白に染まった。

次いで、足元から這い上がってきた寒気が、瞬く間に四肢を駆け巡る。

先輩とは、これまで一度だってやましいことなどなかった。

ましてや、そんな男女の関係になどなるはずがない。

周防春香め、よくもまあ抜け抜けと捏造してくれたものだ。

どうやら、まだお灸が足りないらしい!

「ええ、それで決まりね」

周防春香は電話口でそう告げると、非常階段のドアを開けた。

私はとっさに前へ出て、彼女の行く手を塞ぐ。

「小林紗夜、どうしてここに!」

周防春香は驚愕と怒りを露わにし、反射的にスマートフォンを背後へ隠した。

私は掌を差し出す。

「そ...

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