第123章

私と立花謙一は、同時に振り返った。

視界に入ったのは、血相を変えた立花の祖母が、仰向けに倒れようとする姿だった。

「祖母さん!」

立花謙一は何もかも振り切るように、両腕を広げて飛び込んだ。

背後に控えていたボディガードたちも、慌ただしく動き出す。

私も思わず数歩駆け寄ったが、立花謙一が祖母の体をしっかりと受け止め、後頭部を強打するのを防いだのを見て、密かに安堵の息を吐いた。

ふと視線を転じると、周防春香が胸元を押さえ、悔しげに唇を噛んで喘いでいるのが見えた。

まるで、この結果に不満でもあるかのように。

私の視線に気づいた瞬間、周防春香は慌てて手を下ろし、心配そうな表情を貼り付...

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