第127章

酒場の扉をくぐり抜けると、冷たい夜風が頬を撫でた。

その冷たさに、酔いも恐怖も一気に醒めていく。

さっきまでの自分の無謀な振る舞いを思い返し、私は冷や汗を拭った。

もし立花謙一が間に合っていなかったら、私と立花青葉が脱出できたとしても、相応の代償を払わされていただろう。

「これが、お前が両親に自慢していた恋人か?」

立花謙一の声は、吹きすさぶ夜風よりも冷たかった。

私は同情の眼差しを立花青葉に向けた。

あんな男を選ぶなんて、彼女の男を見る目は絶望的だ。

立花青葉はさらに気まずそうに視線を泳がせ、小声で弁解した。

「そういうわけじゃないの。パパとママが結婚しろってうるさいから...

ログインして続きを読む