第129章

周防玉輝は即座に否定した。その口調には焦りと怒りが滲んでいた。

「僕じゃない!」

「君が立花謙一と別れて、あいつから離れたいと思っていると知ってから、僕は一度もあいつと個人的に会っていない。君を売るような真似をするはずがないだろう」

嘘をついているようには見えない。私はさらに問いを重ねた。

「じゃあ、周防春香の子供の鑑定書は? あなたは改竄したの? してないの?」

周防玉輝はソファの背もたれに体を預けた。ピンと伸びていた背筋が、見えない重圧に押し潰されたかのように湾曲する。

「紗夜、本当に僕を疑っているんだね」

胸に鉛を詰め込まれたような重苦しさを覚え、私は言った。

「先輩…...

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