第145章

私は本能的に顔を背けた。

一瞬にして、暗闇だった場所が眩い光に包まれる。

そのスポットライトの中に、プリンセスドレスを纏った周防春香が立っていた。彼女は感極まった様子で、立花謙一を見つめている。

頭の中が真っ白になった。

視線を猛然と立花謙一に戻すと、彼は片膝をつき、精巧なリングケースを片手で掲げていた。

彼は周防春香だけを真っ直ぐに見つめ、優しい声で問う。

「僕と結婚してくれますか?」

周防春香は言葉にならないほどの感激に震え、口元を手で覆いながら叫んだ。

「はい、喜んで!」

全身の血液が凍りつくような寒気が、四肢の先まで駆け巡る。

それでも、私はまだ信じられなかった。...

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