第15章

数秒の間、私は呆然としていたが、ようやく我に返って小声で礼を言い、報告書を受け取って出口へと向かった。

警官が怪訝そうな顔で尋ねる。

「あなたを陥れた相手を起訴しますか? こちらで手続きできますよ」

私は首を横に振った。

「いえ、結構です。もう、どうでもいいことですから……」

警察署を出ると、すでに街灯が点っていた。

膝が激しく痛み、長くは歩けそうにない。私はその場でタクシーを拾い、病院へ向かうことにした。

車を待つ間、私は再び「けん」とのチャット画面を開いた。

いまになっても、彼からの返信はない。

思わずため息が漏れる。

彼を責めることはできない。

私がいなければ、彼...

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