第168章

私は立花青葉に強引に上の階へと連れて行かれた。

エレベーターを降りた瞬間、立花老人の病室から怒号が飛んできた。

「立花謙一、よくもやってくれたな! 貴様は狼の心を持った野良犬か! 血の繋がりなど屁とも思っていないとはな!」

「こんな恩知らずな真似をして、いつか必ず報いを受けるぞ!」

立花青葉の顔色が変わる。

「お父さんったら、どうして謙一お兄さんをあんなふうに罵るの! 紗夜、先に入らないで。私が様子を見てくる」

立花家の内部が不仲であることは、ずっと前から知っていた。

だが、まさか立花正真があれほど激しく立花謙一を罵倒するとは思わなかった。まるで立花謙一が甥ではなく、不倶戴天の...

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