第170章

奴らの狙いが私であることは明白だった。

検査結果を受け取る暇などない。私は患者衣のまま、足早に通用口へと駆けた。

運よく、客を降ろしたばかりのタクシーを捕まえることができた。

車に乗り込み、運転手を急かす。

数百メートルほど走り、追手がないことを確認してから、母に電話をかけた。

「お母さん、聞いて。今、空港に向かってるの。身分証を持って、すぐに空港に合流して」

母は何も聞かず、即座に答えてくれた。「わかったわ」

通話を切ると、少し考え、周防玉輝先輩にダイヤルした。

「先輩、状況が変わりました。最短の便でY国へ直行しようと思います。そちらはすぐに出発できますか?」

先輩の反応...

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