第176章

「至急、立花さんに連絡を。患者さんの意識が戻りました」

突如、部屋の中に他人の声が響いた。

声のした方へ視線を向けると、マスクをして白衣を纏った医師らしき人物が歩み寄ってくるのが見えた。

「今の気分は、どうですか?」

その口調はどこか辿々しく、まるで日本語を覚えたてのようなイントネーションだった。

私は首を横に振る。

医師は手元のカルテに何かを書き込むと、再び口を開いた。

「では、頑張ってアシを上げてみてください」

私は言われた通りにする。

彼は再び記録を取り、その後いくつか質問をしてきたが、基本的な体調確認ばかりだった。

私は堪えきれず、問いかけた。

「あなたは、誰?...

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