第177章

目の前にいるノーマンを見つめ、私は信じられないという表情を浮かべた。

「あなたが言う『侯爵』って、私の先輩のこと?」

ノーマンはその薄茶色の瞳で私を見つめ返し、力強く頷く。

「ええ、彼のことです」

私は黙って彼を品定めした。

疑いの色が消えないのを察したのか、ノーマンは周防玉輝とのLINEの履歴を直接見せてきた。

「信じられないなら、自分で見てください」

私はスマートフォンを受け取り、画面に目を落とした。

確かに先輩のアカウントだ。

彼の言う通り、先輩からの指示がそこにはあった。

それに、ノーマンと私は赤の他人だ。わざわざ嘘をつく理由もない。

「それで、先輩はどうしてそ...

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