第179章

「小林様、立花の大奥様がいらっしゃいました。下へ降りてお会いになってください」

山崎が慌てた様子で部屋に入ってくると、不安げな表情でそう告げた。

立花の婆さん……別荘で療養していたんじゃなかったの?

どうしてまたここに来たのよ。

内心で毒づきながらも、私は大人しく階下へ向かうことにした。

彼女のことは嫌いだが、年長者に対する最低限の礼儀はあるつもりだ。

階段を降りた瞬間、玄関に一列に並んだ立花家の屈強なボディガードたちが目に入った。

空気が一瞬にして凍りつく。

一階のリビングへ足を踏み入れると、立花の婆さんが萌葱色の和服に身を包み、黒檀の杖をついて、主人の席に威厳たっぷりに鎮...

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