第19章

感情を抑え込むあまり、奥歯を噛み締めすぎていた。

口の中に、鉄錆のような血の味が広がる。

私はバッグから映像解析レポートの紙媒体を取り出し、立花謙一に突きつけた。

「周防春香の怪我は、私とは無関係よ。信じないなら、自分で見て」

立花謙一の視線がレポートに落ちる。しばしの沈黙の後、彼は手を伸ばしてそれを受け取り、ページをめくり始めた。

「謙一、紗夜の言っていることは本当なの?」

周防春香がベッドの上で身を起こし、か弱げな視線を彼に向けた。

立花謙一は最後まで目を通したが、その表情には何の変化も現れなかった。

「確かに、動画は合成されたものだ」

周防春香は一瞬驚いた顔を見せたが...

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